現実という制度―Wake Up, Girls! と山本寛(ヤマカン)氏について
http://f.hatena.ne.jp/mobile/yonoco/20140331121515
『WUG面白かったね。でも既存のアイドルものとどう違うの?』
WUGについて製作陣(主にヤマカン)やファンの方からしきりに『アイマスやラブライブとは違ってリアルなアイドルものやるぜ!』みたいな言説が出てたと思うので、『リアル馬鹿にすんな』という話なんかしてみます(現実のアイドルとしてのWUGではなくアニメのWUGの話です、念のため)
多分彼等の言うリアルとは『現実』という意味での、リアルなんだとおもいますが、各話タイトルの由来たる黒澤明の映画自体が『現実と映像的なリアルは別物である』と言う事を明示します
例えば、Iー1の描写みて(あれも七人の侍の野武士オマージュなんだろうけど結果として、単に記号になってるだけなんだよね。七人の侍フォロワーがやる事の1つが『野武士にどういう属性を付与するか』なんだけど)、よっぽど鈍感じゃない限りは気づくと思うけど、やっぱりあれ、アイドル(とファン)馬鹿にしてる描写だよ、どう言い繕っても
(けいおん的なものがお嫌いらしいけど、それこそけいおんのモブをみればわかるように、なにげない描写1つあればそのキャラの人となりとかわかるもんだよ。七人の侍もしかり)
この例にあるように『あからさまにお芝居(物凄くよく出来てる映画)的な要素』と『特に2話のあれに象徴される(よく言えば)自然主義的リアリズム』がWUG作中には衝突してるわけです
で、結果は?
僕らが今みてるものです
ふとよぎった疑念
さて、フラクタルを除いたヤマカン監督作には『前半と後半がまるで違う話になる』という特長があります(もう1つ、『序盤が低調なスロースターター』というのもありますが、ここでは置いときます)
かんなぎや戦勇でもでてる(けど薄い)んですが、一番わかりやすくでてるのは実写映画の私の優しくない先輩でしょう
ようは『話の締めの段階で話のトーン自体も変わってくる(というか別の作品にすら見える)』という事です
で、唯一一本のトーンで描ききったフラクタルを観る限り『これ作った人、長いドラマを作るとクダクダになる』という事です
さて、WUGはどうなのかというと前半は『ああ、イマドキのアイドルものとは違うものを作ろうとしてる。でもすべってんね』と思った(最大限やわらかく書いてます)のですが、後半に入ると露骨に『これアイマスのアリーナとラブライブのスクールアイドルとどう違うの』『ていうか、アイマスやラブライブがスマートに終わらせれたやつをなにグダグダやってるの』とやっぱりな展開に(今までの作品で一番作品のトーンが違ってて別の作品にしかみえない)
でなんでこんな感じになるのかしら?と考えたら所謂『業界の闇』が見えた気がします( ; ゜Д゜)
いや、そんな事はないと信じてますよ、マジで
『この世にたったひとり。もう兄弟も、隣人も、友人も世間との付き合いもなく、天涯孤独の身。私ほど人付き合いが好きで、人間を愛するものはいないというのに、そんな私が、満場一致で皆から追放されたのだ。繊細な私の心を最もひどく痛めつけるにはどんな仕打ちがいちばんいいのか、奴らは私への憎悪を極限まで募らせながらさんざん考えたのだろう。』
孤独な散歩者の夢想
ルソー
(追記1:今回、僕が書いたことをより的確に書いた方々がこちら
「Wake Up, Girls! 」山本寛監督はじめ、アニメに絶望して反抗することで生まれる作家性の感想 - http://teenssexandwarmode.hatenablog.com/entry/2014/01/26/232245
明日、マネージャーがいない
http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/mobile?date=20140121)
(追記2:このアニメと東日本大震災を云々する方が時折いますが、正直な話こんな作品応援するより、募金やボランティアに参加した方が被災地及び被災者さんのために良いと思います)
(追記3:ガルパンやあまちゃんと比べると、やっぱり『作劇と作品で語りたいことをごっちゃにすると押し付けがましくなる』のがわかりますね(;´д`))
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